つくば市総合運動公園-基本構想と基本計画
基本構想2014
PTAの要望する10億円程度の陸上競技場への市の回答は驚くべきものでした。3万人収容の陸上競技場を作り、さらに総合体育館や室内競泳プールなどの国際大会レベルの施設を整備するというもので、総事業費は366億円です。茨城県営の運動公園である笠松をも上回る北関東最大の運動公園をつくば市(人口20万人)の単独事業で作ろうというのです。
特に陸上競技場は第1種であり、サブトラックである第3種の2つの400mトラックを作ります。中学生の市大会を開催するはずが、いつの間にか国際大会も開催できる規模になっているのです!
総合運動公園は収容能力3万人規模の陸上競技場と同3000~5000人規模の体育館のほか、サッカー場やラグビー場の整備も検討
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基本構想のパブリックコメントの最中の66億円の土地取得
つくば市は2月に上記の基本構想を発表し3月にパブリックコメントの募集を始めました。ところが、そのパブコメの最中に突然、土地の購入が行われてしまったのです。市議会では1票差での可決です。
(仮称)つくば市総合運動公園を整備するため,現在,つくば市大穂地内に独立行政法人都市再生機構が所有する約45.6haの土地を,つくば市土地開発公社が一括で取得し,その後,総合運動公園整備の事業計画に基づき,つくば市土地開発公社からつくば市が取得するもの
総合運動公園の建設地は都市再生機構(UR)が所有していた同市大穂の遊休地45ヘクタールで、市土地開発公社が2014年3月に66億円で取得した。
パブリックコメントは立地も含めて意見を募集しているわけですから土地を購入してしまうのは民意の無視です。
さらに2014年6月議会では、それまで存在が明らかでなかった低額の土地鑑定書が提出され、9月議会では市長が陳謝する騒ぎとなりました。この土地購入については住民監査請求も提出されていましたが2015年2月に棄却されました。
基本計画2015
これと並行して基本計画2015が作成されました。実質的に基本構想2014の縮小案です。この基本計画では総事業費が305億円まで圧縮され、陸上競技場も2種公認となりました。400mトラックは1つだけです。しかし観客席は屋根付きの椅子席5,000席に芝生席10,000席の十分に巨大なものです。陸上競技場だけで69億円かかります。基本構想より豪華になったのが体育館です。85億円の巨費を投じて5,000人収容のアリーナ(総合体育館)を作ることになりました。
住民投票へ
この基本計画でも県あるいは政令指定都市レベルの事業規模であり20万人の市の事業としてはあまりにも過大であることから市民団体から住民投票条例の制定請求があり市議会で可決されました。8月2日の住民投票は、この305億円の基本計画への賛成・反対を問うものとなっています。